陶磁器の里、有田町は有名な窯元や作家さんがとても多く存在しています。
よく新聞やニュースで取り上げられる方や、歴史の教科書にも掲載されている窯元まであるわけですから、陶磁器の里は陶芸家の里でもあるわけです。
これまでの記事で、手のひらサイズのインテリアにもなる干支の置物を作られる窯元、若者に人気なモダンでシンプルなデザインの窯元、子供も楽しめるトレジャーハントができる窯元などを紹介してきました。
そこで、ふと考えました。
「ちょっと待てよ。有田焼の伝統を語る上で王道の窯元を紹介しないわけには行かない」と。
そこで、今日は陶磁器の里、有田町にある王道中の王道の窯元3選をご紹介したいと思います。
本当は王道6選!と言いたいところですが
今回は人間国宝として活躍された、また活躍なさった窯元に絞って焦点をあてていきたいと思います。
有田町が誇る人間国宝(重要無形文化財保持者)の窯元3選をご紹介!!
突然ですが、人間国宝ってなにかご存知でしょうか。
なんかすごい人達で、一生会うことなんか無いんだろうなぁ。
そう東京に住んでいた時は思っていました。
しかし、有田町に嫁いできてしばらく経ったある日、妻と近所を散歩していたときのことでした。
「今すれ違った人は、人間国宝の方だよ。」
僕は一瞬ポカーンとした後、その言葉に耳を疑いました。
東京では、一生会うことなんかないと思っていたすごい人間国宝の方が身近に歩いていたのです。
そこで改めて、人間国宝という意味を調べてみると
伝統的な芸能や工芸の分野で高い技術を持つ重要無形文化財保持者のことを「人間国宝」と呼ぶそうです。
つまり、有田町にとっては伝統的な陶芸の技を磨き、有田焼の発展にとっても貢献してきた方ってことですね!
今現在、和モダンでシンプルなデザインがあるのもこの人間国宝の技が基礎としてあるのは間違いないはずです。
有田焼の歴史や伝統を受け継ぐ人間国宝が在籍する、または在籍していた窯元さんを今日はご紹介します。
それぞれギャラリーもお持ちですのでぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。
柿のような美しい赤絵「柿右衛門窯」
有田焼を代表する窯元というと何を思い浮かべますか?
きっと真っ先に思い浮ぶのが「柿右衛門」ではないでしょうか。
歴史の教科書にも掲載されている有田の最も代表的な窯元です。
幼い時にテストに出題されいつも間違っていた僕ですが、まさか自分が柿右衛門が住まれている有田町で生活を送るなど思ってもいませんでした。
柿右衛門の象徴「赤」の伝統的な美しさ
ところで、なぜ「柿」右衛門というかご存知でしょうか。
実は、柿右衛門の象徴となる「柿」のような美しい赤絵を初代柿右衛門が生み出したことが由来となっています。
その初代柿右衛門さんが赤絵を生み出したのが1640年代頃。
柿右衛門様式としては1670年代に確立したそうです。
オランダの東インド会社をとおして、ヨーロッパへ渡り宮殿や邸宅を豪華にかざりました。
以来、柿右衛門の名は脈々と受け継がれ、現在においては15代柿右衛門を名乗られています。
ちょうど鎖国が完成し、数年たったころと考えるとどれだけの伝統かわかるかと思います。
全国でも根強いファンが多く、僕の友人も柿右衛門さんのお皿を購入するために大阪からギャラリーに足を運んでいます。
僕も時々、温かみのある乳白色の地肌に描かれた柿右衛門特有の赤を見たくなり、ギャラリーを訪れますよ。
僕には高級でなかなか手が出せないお値段ですけど、目の保養には最適です(笑)
柿右衛門の営業時間やアクセス方法について
営業時間 は年中無休で9:00から17:00 (年末・年始は除く)
場所は 〒844-0028 佐賀県西松浦郡有田町南山丁352
有田駅から車で5分ほどの距離です。
国道35号線を佐世保方面にみて南原良原の信号を左折し進みます。すると1分ほどで右側に柿右衛門窯がみえてきます。
とても立派な建物が目印になります。
駐車場も大変広く確保されています。
白磁の造形美「井上萬二窯」
柿右衛門を訪れた際には、ぜひその足で「井上萬二窯」を訪れてみてはいかがでしょうか。
井上萬二窯は、なんと柿右衛門窯から徒歩1分ほどの距離にありご近所なんです。
その2つの窯元があるのは、有田町の南山地区。
柿右衛門さんと井上萬二さんという人間国宝をお2人も輩出しているんですね。
すごいとしか言えません。
白磁の第一人者井上萬二さん
人間国宝の井上萬二さんは1929年生まれで、現在ご年齢は90歳です。
従来、有田焼の作品は赤絵や華やかなデザインが特徴だった中で白磁の造形の美しさにこだわってきた方だと思えます。
僕は井上萬二さんの作品が大好きです。
なぜなら、井上萬二さんの作品を拝見すると、凛とした佇まいに姿勢を正したくなるような空気感を感じるからです。
有田焼における白磁の第一人者と言われても今も尚、
より洗練し卓越した技術を追い求める井上萬二さんの生き方って素敵ですよね。
僕は何度かこちらのギャラリーに東京の両親や兄弟と訪れています。
白と言えば、どこまでも白でしかない。
そんな人もいるようですが、白磁の白にこだわりつづけたからこそ見た人の気持ちを整える力がある作品をみることができます。
現在は井上萬二さん、息子の井上康徳さん、孫の井上祐希さんが作家として井上萬二窯の作品を作られています。
井上萬二窯の営業時間やアクセス方法について
井上萬二窯の営業時間やアクセス方法についてご紹介します。
営業時間は8:30から17:30 休業日は年末年始と7月盆と8月盆です。
場所は 〒844-0028佐賀県西松浦郡有田町南山丁307
上記に書きました柿右衛門窯とはご近所です。
柿右衛門窯から井上萬二窯までは徒歩1分程度なので、併せて訪れてみてはいかがでしょうか。
ちなみに駐車場は広く確保されていますのでご安心くださいね。
有田焼の古き良き色合いを感じる「今右衛門窯」
最後にご紹介するのは、有田焼の古き良き色合いを感じる「今右衛門窯」です。
こちらの窯元も歴史は古く、今右衛門窯さんは江戸時代から350年の歴史をもたれています。
有田町の今右衛門窯は有田陶器市の際にメインとなっている通りに建っており古きよき歴史ある街並みに溶け込んでいるようよな佇まいです。
今右衛門窯の魅力の色絵磁器は色鍋島と言われており美しい品格を感じさせるデザインとなっています。
十四代今右衛門さんは2014年に人間国宝に認定されています。
以前ギャラリーに東京の両親と伺った際には優しいデザインと色合いに母が一目惚れしてしまいその後、東京で展示会をされる際には必ず出掛けているほどです。
今右衛門窯の営業時間やアクセス方法について
営業時間 8:00~17:00 定休日は第一日曜日と12/30から1/5 8/15から16
場所は 〒844-0006 佐賀県西松浦郡有田町赤絵町2-1-15
有田駅から県道281線を上有田方面に車で向かい右手にみえてきます。約5分で到着しますので大変便利な場所にあります。
まとめ
ご縁があれば作家さんご本人に会えたこともありますありますので
日本を代表する有田焼の第一人者さんのギャラリーにお出掛けしてみてください。
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